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畳の上にフローリングを敷く?デメリットと注意点を解説

2025.12.18

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畳のある空間を、より現代的で手入れのしやすいフローリングへとイメージチェンジしたいと考える方は少なくありません。

特に、既存の畳を剥がさずに上からフローリング材を敷くという簡易的なリフォームは、手軽さから魅力的に映るかもしれません。

しかし、こうした方法を選択する際には、見過ごせない注意点が存在します。

畳特有の性質とフローリング材の組み合わせによって、思わぬ問題が発生する可能性が指摘されているのです。

その具体的なリスクと、安全に理想の空間を実現するための知識を深めていきましょう。


□畳の上にフローリングを敷くデメリット


*湿気がこもりカビ・ダニ発生リスクが高まる


畳は本来、呼吸する素材であり、その構造上、湿気を吸い込み、そして放出するという調湿機能を持っています。

しかし、その上にフローリング材を直接敷き詰めてしまうと、畳の表面が完全に覆われ、空気との接触面が著しく減少します。

これにより、畳が湿気を放出しにくくなるだけでなく、室内の湿気が畳とフローリング材の間に閉じ込められ、逃げ場を失ってしまうのです。

特に、梅雨時期のような高湿度環境や、結露が発生しやすい冬場においては、この閉じ込められた湿気がカビやダニにとって格好の繁殖温床となり、健康被害や建材の劣化につながるリスクが飛躍的に高まります。


*畳の調湿性が失われ結露を招く


畳が持つ自然な吸湿・放湿能力は、室内の湿度を快適に保つ上で重要な役割を果たしています。

フローリング材を上から被せることで、この畳本来の調湿機能は著しく阻害されます。

その結果、室内の余分な湿気が畳に吸収されにくくなり、室内の湿度調整が難しくなるという側面があります。

さらに、冬場など室内の温度が比較的高く、フローリング材の表面温度が低くなる条件下では、室内の水分が冷やされて結露が発生しやすくなります。

この結露水が畳とフローリング材の間に溜まることで、カビやダニの発生をさらに助長する悪循環を生み出す可能性があります。


□畳の上にフローリングを敷く際のリスクをどう防ぐか?


*換気と除湿による湿気対策を行う


畳の上にフローリングを敷くという方法を選択した場合、最も基本的かつ重要な対策は、こまめな換気と徹底した除湿です。

室内の空気を定期的に入れ替えるために窓を開け、湿った空気を外に排出することを心がけてください。

さらに、除湿器やエアコンの除湿機能を活用し、畳とフローリング材の間に湿気が溜まるのを防ぐことが極めて重要です。

特に湿度の高い時期には、集中的な除湿運転を行うことで、カビやダニの発生リスクを大幅に低減させることができます。


*発生したカビ・ダニへの対処法を準備する


万が一、畳とフローリングの間にカビやダニが発生してしまった場合、早期発見と迅速な対処が被害を最小限に抑える鍵となります。

フローリング材の隙間や端部などを定期的に注意深く観察し、異変がないか確認することが大切です。

もしカビやダニの発生を確認した場合は、専門業者に相談するか、適切な殺菌・駆除剤を使用して速やかに除去する必要があります。

畳自体にまで影響が及んでいる場合は、畳の消毒や表替え、あるいは畳自体の交換といった、より専門的な処置が必要となる可能性も考慮に入れておくべきでしょう。


*畳やフローリング自体の劣化に注意する


湿気が長期間こもり続ける環境は、畳そのものの腐朽や変色を進行させる原因となります。

また、フローリング材も、湿気やカビの影響を受けて反りや変形を起こしたり、接着剤の劣化を招いたりするなど、建材としての寿命を縮める要因となり得ます。

そのため、リフォーム後も定期的に畳やフローリングの状態を注意深く確認し、わずかな異変も見逃さずに、早期の段階で適切な処置を施すことが、住まい全体の耐久性を維持し、材料の寿命を延ばす上で不可欠となります。


□まとめ


畳の上にフローリング材を敷く簡易的なリフォームは、手軽さゆえに魅力的に映りますが、畳の通気性を妨げ、湿気がこもりやすくなるという根本的な課題を抱えています。

これにより、カビやダニの発生リスクが高まり、畳本来の調湿機能が失われて結露を招くなど、建材の劣化を早める可能性も否定できません。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、日頃からのこまめな換気や除湿といった湿気対策を徹底し、万が一の事態に備えて早期対処法を準備しておくことが肝要です。

理想の空間づくりには、こうした潜在的なリスクへの理解と、丁寧なケアが不可欠と言えるでしょう。

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