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プラスターボードとは?基本種類と性能壁に物を安全に設置するコツ

2025.12.11

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プラスターボードは、現代の建築において壁や天井の下地材として広く用いられており、その機能性や施工性から多くの建物で採用されています。

しかし、その基本的な特性や、一般的に混同されやすい石膏ボードとの関係性、さらには多様な種類や性能の違いについて、具体的に理解している方は少ないかもしれません。

また、生活空間をより快適にするために壁に棚や装飾品を取り付けたいと考えた際に、このプラスターボードの壁に「物を設置しても安全なのか」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

今回は、プラスターボードの基礎知識から、壁への確実な物設置方法までを詳しく解説していきます。


□プラスターボードの基本


*プラスターボードの定義と石膏ボードとの違い


プラスターボードとは、建築用語として一般的に使用される名称であり、その実体は「石膏ボード」と呼ばれる建材の一種です。

石膏ボードは、主原料である石膏を芯材とし、その両面を厚手の原紙で包み込むようにして製造される板状の建材であり、優れた防火性能と加工性を持つことから、内装下地材として広く普及しています。

したがって、「プラスターボード」という言葉を聞いた場合、それは多くの場合、この石膏ボードのことを指しており、素材や形状を表す一般的な呼称として用いられています。


*プラスターボードの主な種類と用途


プラスターボードには、その用途や性能に応じて様々な種類が存在します。

最も基本的な「普通石膏ボード」は、一般的な居室の壁や天井下地として幅広く使用されます。

一方、「強化石膏ボード」は、芯材にガラス繊維などを配合することで強度を高めており、耐衝撃性が求められる箇所に適しています。

水回りでの使用に特化した「耐水石膏ボード」は、表面に防水処理が施されており、キッチンや洗面所、浴室周りなどの湿気が多い場所での下地材として用いられます。

さらに、「耐火石膏ボード(強化石膏ボード)」は、石膏芯材にガラス繊維などを配合し、耐火性能を一層高めたもので、火災時の延焼を抑制する効果が期待されるため、コンロ周りや隣室との界壁など、防火性能が重視される箇所に採用されます。


*プラスターボードの性能(耐火性・耐水性)の違い


プラスターボードの持つ優れた耐火性は、その主原料である石膏が持つ特性に由来します。

石膏の結晶構造には化学的に結合した「結晶水」が含まれており、火災時に加熱されると、この結晶水が熱分解を起こして水蒸気を発生させます。

この水蒸気の気化熱と、水蒸気自体が酸素の供給を遮断する効果により、表面温度の上昇を抑制し、火炎の伝播を遅らせることで、不燃材としての機能を発揮します。

一方、耐水性の高いプラスターボードは、表面に防水紙を貼る、あるいは石膏芯材に撥水剤を添加するといった加工が施されており、水蒸気や水滴が浸透しにくい構造になっています。

これにより、水回りでの結露や水しぶきによる劣化を防ぎ、長期的な耐久性を確保しています


□プラスターボード壁に物を安全に設置できるか?


*プラスターボード壁への物設置は可能


プラスターボードで仕上げられた壁であっても、時計や鏡、棚、テレビなどの様々な物を設置することは十分に可能です。

石膏ボード自体は、その強度がそれほど高くないため、重い物を直接ビスで固定しようとすると、ボードが破損したり、固定が緩んで落下したりするリスクがあります。

しかし、壁の裏側にある構造材(木材や軽量鉄骨の間柱・胴縁など)にしっかりと固定する、あるいは適切な下地材や固定金具を使用することで、安全かつ確実に物を設置することができます。


*安全な設置のための下地作りと固定方法


プラスターボード壁に物を安全に設置する上で最も重要なのは、「下地」を正確に捉え、そこに確実な固定を行うことです。

壁の内部にある木材や金属製の柱(間柱)や横桟(胴縁)といった下地材を探し出すことが第一歩となります。

下地探しには、専用の「下地センサー」を使用したり、壁を軽く叩いて音の違いで判断したり、細い釘を刺して下地の有無を確認したりする方法があります。

下地が見つかった場合は、設置する物の重量や大きさに応じた適切な長さと太さのビス(ネジ)を選び、下地の木材や金属材に直接、深くねじ込んで固定します。

下地がない箇所(ボードのみの部分)に固定する場合は、石膏ボード用のアンカープラグや、中空壁用のファスニング(例:ブラインドナット、お椀型アンカーなど)といった専用の固定金具を使用します。

これらのアンカー類は、ボードに穴を開けてから差し込み、ビスをねじ込むことでボードにしっかりと固定され、その上に物を掛けることが可能になります。

特に重量のあるものを設置する際は、複数のアンカーを使用したり、ボードの強度を高めるために構造用合板などを下地として増し張りしたりする工法も有効です。


*物設置時に注意すべき点


プラスターボード壁に物を設置する際には、いくつかの注意点を守ることが安全確保のために不可欠です。

まず、壁の内部には電気配線や給水・排水管が通っている可能性があるため、ビスを打つ前に配線図を確認したり、慎重に作業を進めたりすることが重要です。

不用意にビスを深く打ち込みすぎると、これらの設備を傷つけ、漏電や水漏れといった重大な事故につながる恐れがあります。

次に、設置する物の想定重量を正確に把握し、それに耐えうるだけの十分な強度を持つ下地と固定方法を選択することが肝要です。

特に、テレビや大型の収納棚など、大きな荷重がかかるものについては、専門業者に相談するか、確実な下地補強を行った上で設置するようにしてください。

また、設置後も定期的に固定箇所の緩みがないかを確認し、過度な衝撃や負荷がかからないように注意を払うことが、長期的な安全性を保つ上で推奨されます。

DIYで作業を行う際には、自信がない場合や不明な点がある場合は、無理せず専門知識を持つ業者に依頼することも賢明な判断と言えるでしょう。


□まとめ


プラスターボードは、石膏を主原料とした現代建築に不可欠な建材であり、その種類や耐火性・耐水性といった性能の違いを理解することは、より安全で快適な住空間づくりに繋がります。

壁に物を設置する際には、プラスターボード自体の強度には限界があるものの、壁裏の下地を正確に把握し、適切なアンカーやビスを用いて固定することで、安全に実現することが可能です。

設置する物の重量に応じて、下地探しや固定方法を慎重に選択し、壁裏の配線・配管にも十分配慮することが重要となります。

これらの知識を活かし、ご自宅の壁を有効活用しながらも、安全性を最優先にした物設置を心がけてください。


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